※本コンテンツは中部電力が発行する地域振興情報誌『FRONT』第31号にも掲載されています。
![]() 内堀醸造(株)アルプス工場 |
![]() 長野県飯島町の久根平工業団地に、日本屈指の食酢メーカーである内堀醸造株式会社が進出、2006年10月に操業を開始した。清冽な空気と水にあふれたアルプス工場は、創業130年を超す老舗の智恵と最新技術を融合させたクリーンファクトリー。原料段階から手を抜かない真面目な酢造りに徹し、高品質のビネガーを送り出している。 |
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| 内堀醸造株式会社は、家庭用・業務用・原材料用食酢を製造販売する食酢専業メーカーである。岐阜県八百津町に明治9年(1876)創業。酢のもととなる酒造りから徹底的にこだわる姿は、まさに老舗の名にふさわしく、「美濃特選本造り米酢」をはじめ有機JAS規格の認定を受けた「有機純米酢」など、高品質の商品群を数多く抱えている。 その美濃の老舗醸造会社が2006年、長野県上伊那郡飯島町に新しくアルプス工場を開設した。工場立地という観点では東京首都圏に多くの販路を持つ同社ならば、もっと東に新工場を開設しても不思議ではない。用地を探し歩いたという内堀泰作社長の意図は、どの点にあったのだろうか。そうした疑問に、浅川和也・総務課長は明快な答を返してくれた。 「弊社の仕事はいい酢を造ること。その存立基盤は水・空気・微生物にあるというのが、変わらぬ理念です。豊富でまろやかな軟水の出る地下水、清浄な空気、微生物の成育に適した環境であることがまず重要でした」 交通インフラ重視による流通コスト削減よりも、品質を優先させた結果だという。また、醸造業という業種は地域に根ざしてこそという信念も曲げることができなかった。 「飯島町の担当の方が、とにかく熱心でした。問題点も共に考えてくれ、親身なアドバイスには大変感謝しています。地域に信頼していただける、受け入れていただける実感が持てた点は大きかったですね」 本社工場の3倍近くある5万7300uの広々とした敷地を誇るアルプス工場には、本社工場で培った理念や経験が随所に活かされている。醸造蔵と名付けた工場内には精米装置、製麹装置、酒仕込タンク、蒸留設備、熟成タンクなど最新設備が整えられ、「酢造りは酒造りから」をモットーとした安全性・品質ともに高付加価値な酢造りを行っている。これら設備の配置に加え、原料の搬入経路を効率的にしたり、角をアール状にして埃溜まりを軽減するなど、設計にも細かな配慮がうかがえる。 同社の名は今、一般市場に急速に浸透し始めている。塩や醤油のように日本の食卓に酢を根付かせたいとの思いから、デザートビネガーを開発したのが発端だ。多彩な“飲む酢”を提案した「オークスハート」を全国10か所のデパートで展開、2007年10月には、東京駅構内にスタンド・カフェ形式の「飲む酢エキスプレ・ス・東京」を出店した。「今後、信州産の果実や野菜を使ったビネガーも開発していきたい」と浅川課長は抱負を語る。“美濃の内堀”として発展してきた同社は、“信州の内堀”として新たな歩みを始めている。 |