※本コンテンツは中部電力が発行する地域振興情報誌『FRONT』第32号にも掲載されています。

 



イケア・ディストリビューションサービス


世界24カ国に260余のストアを有し、グループ売上高212億ユーロを誇る世界最大の大型家具チェーン「イケア」。2006年4月に日本再上陸を果たし、3年で関東・関西地区に5店舗を展開し、昨年10月には愛知県弥富市にイケア最大級の物流センターがオープンした。

 この物流センターは、伊勢湾岸自動車道の湾岸弥富ICを出て300mのところにあり、地の利は申し分ない。中部経済界が広域で推し進めているグレータ・ナゴヤ・イニシャチブの海外企業誘致活動を通して、愛知県知事自らのトップ交渉を行った。
 イケアは、北欧家具の代表的なブランドで知られ、製造工場を持たずに商品企画から素材の調達、製造管理、販売までを自社で行うSPA型の事業展開が特徴である。取扱い商品は家具を基軸にし、食器、照明器具、システムキッチン、テキスタイルなど多岐にわたり、アイテム数は約1万点にも及ぶ。
 イケアビジネスの真髄は、その企業理念に表れている。「優れたデザインと機能性を兼ね備えたホームファニッシング商品を幅広く取り揃え、より多くの人々に、できる限り手ごろな価格で提供する」がそうである。手ごろな価格を実現するために、商品を分解し、できる限り薄く小さく平らに梱包する独自の「フラットパック」を開発する一方、「キャッシング&キャリー(その場でお持ち帰り、組み立てをお願い)」をお客様に提唱する。お客様との相互協力があって、在庫や輸送にかかるコスト削減が達成できるというわけだが、この「ローコストオペレーション」がイケアの強みとなっている。
 イケアスタンダードはショップ展開だけでなく、物流センターの機構・運営にも反映されている。建物の構造は、イケア標準の2つの高さの屋根を持つ鉄筋造平屋で、中央部を高さ30mのハイベイが覆い、左右に高さ11〜12mのローベイが連なる。ハイベイの部分は自動ラックになっており、昼間であっても照明は落とされ省エネが行き届いている。ローベイの部分は庫内作業場で、50台近いフォークリフトを配している。しかも、フォークリフト空荷で走ることはなく、個別にシステム制御され、効率的かつスムーズな入庫・出庫作業が行えるようコントロールしている。それにより通常200人の人材が必要とされるところを80人でこなしている。
 物流の要ともいえる輸送は船便がメイン。世界各地のサプライヤーで生産された製品は、40フィートの海上コンテナで直接名古屋港に荷揚げされ、弥富DCで保管されたのち各店舗に配送されるが、その場合も輸送手段に船を選ぶことが多い。
 コンテナ輸送の標準化は「気候変動防止」への取り組みの表明でもある。製品をフラットパックに梱包することで、コンテナ1台当たりの搭載率が向上し、逆に輸送回数を減らすことができる。結果、エネルギー消費量と二酸化炭素排出量の削減につながるというわけだ。

 


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