*本コンテンツは中部電力が発行する地域振興情報誌『FRONT』第32号にも掲載されています。



明日の名古屋圏−元気な地域のグラインドデザインを築くために


[自然環境の特性を生かした3つのプロジェクト]

 伊那市の歴史は古く、高遠城を中心に栄えた高遠地区は今も城下町としての佇まいが残り、往時を偲ばせてくれます。特に、藩主だった保科正之公は徳川300年の基礎を築いた人物で、思いやりの心や民のための政治、順法精神を説いた「天下の三賢」の1人といわれています。「高遠の桜」は全国的に有名で、花見シーズンになると30万人以上の観光客が訪れます。
 また伊那市は、南アルプス(赤石山脈)と中央アルプス(木曽山脈)の2つのアルプスに抱かれた自然共生都市です。山岳が重なりあう急峻で複雑な地形が雄大な自然を生み出し、観光資源にもなっている。特に南アルプスは日本列島の誕生にかかわる重要な地質遺産であり、2008年12月には日本ジオパークに認定されました。伊那市を中心に3県10市町村が連携して「南アルプス世界自然遺産登録」にも取り組んでいます。
 こうした自然環境の特性を生かして、伊那市では現在、「南アルプス山麓『食と健康』プロジェクト」「環境に優しい自然エネルギー普及プロジェクト」「産業立地プロジェクト」の3つのプロジェクトが進行中です。



[夢と希望と活力ある田園工業都市を目指して]

 なかでも産業立地プロジェクトは、バランスの取れた産業基盤を確立し、優良企業を立地することで働く場所と人材を確保して、夢や希望の描ける活力ある田園工業都市の実現を目指しています。上伊那地域産業活性化計画によれば、このエリアに以前から集積しトップクラスの技術力を誇る精密機械、電気・電子機械関連の「高度加工技術産業」と良質な水や高い晴天率、清浄な空気など豊かな自然条件の強みを生かした食品・医薬品・研究機関など「健康長寿関連産業」の誘致を目指しています。「農工連携」や「医工連携」も視野に入れた新事業の創出、地域ブランド化にも力を注いでいます。
 実際、この3年間に20企業の誘致に成功し、延べ20haの工業団地・産業適地が活用されています。労働力を見れば、上伊那地域には約20万人の人口があり、全域が自動車で30分以内の通勤圏内です。近年は権兵衛トンネルが開通したことで、隣接する木曽地域とも30分で結ばれ、総人口は約28万人、労働人口は12万人にふくれ上がりました。
 伊那市は豊富な森林資源にも恵まれています。地球温暖化など地球環境問題への取り組みの一環として「新エネルギービジョン」を策定し、太陽光・小水力・木質バイオマスの3つの自然エネルギーの導入を計画しています。環境に優しく地球環境に配慮した地域づくりが、伊那市の直面する課題です。



新名神高速道路の亀山JCT。 2008年2月23日に草津田上ICまでの 約50kmが開通した
南アルプスのパノラマ
高遠城址公園のさくらと仙丈ケ岳


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